1994年に初代モデルが誕生した人気のミニバン
画像引用元:オデッセイ|Honda
ホンダの「オデッセイ」は、初代モデルが発売されてから既に20年以上が経過しているロングセラーモデルです。
初代モデルが登場したのは1994年のことで、当時はまだ珍しい存在だったミニバンタイプとして利便性が高い大型車ということで一躍人気を得ました。
20年くらい前にミニバンブームが起こったのは懐かしいところですが、当時よりミニバンというのはセダン車の高級感と、走行性能にこだわったスポーツカーのいいところを両方併せ持った車という位置づけがされていました。
また参列シートを全て使うことで最大7人まで積載できるというのも便利な点で、ファミリー向けの車として一家に一台欲しい車種というような認識を持たれたものでした。
ちなみにこのミニバンブームの火付け役になったというのは決して完全に狙っていたというわけではないようで、当時人気があったSV車の生産ラインをホンダが持っていなかったということが関係しています。
RV車は独特の仕様であることから独自に開発をするにはコストがかかりすぎてしまうということで、新型車を作るという時に既存の「アコード」をもとにした高級ミニバンという選択をしました。
なおあまり知られていませんが、オデッセイの初代モデルはセダン車であるアコードのものを使っていることから、今でこそ常識になっている後部座席のスライドドアがなくヒンジ式となっています。
これは生産ラインが整備できないためという厳しい選択でのことだったのですが、蓋を開けてみるとオデッセイは発売当初からいきなりの大ヒットとなりました。
ミニバンとは何かということを変えた車
2017年の現在までオデッセイは5代目となるモデルチェンジをしており、4代目以降からは後部座席のヒンジ式ドアを廃止して本来のミニバンの機能を生かせるスライドドアとなっています。
自動車の車種分類をする時に「ミニバンとは」ということが問われるのですが、本来であればミニバン車は「後部座席のドアがスライド式である」ということで判断されるもののはずでした。
しかしオデッセイがあまりにもヒットしすぎてしまったため、スライドドアは必ずしもミニバン車の定義というわけではなくなってしまいました。
オデッセイがそれまでのミニバンと異なって優れていたのは、従来までの産業用のミニバンのように天井を高くしないスポーツタイプのデザインを採用したということです。
特に3代目からのモデルチェンジでは低床・低重心を強調するモデルになっており、車高は155cmと立体駐車場で楽々入れる高さとなっています。
従来の産業用ミニバンは縦に大きい箱型をしていることから、強風や路面の凍結などの気候に弱いという弱点があったのですがそれを克服し走行性能を高めています。