子供の心を深く傷つけてしまう何気ない親の一言
子供時代に親に言われた一言がいつまでも心に残っているということはないでしょうか。
おそらく誰しも一つくらいはそんな風に親が何気なく放った一言が胸に突き刺さり、長年に渡って心を縛る枷になってしまっているのではないかと思います。
ただそうした言葉を言う親も決して悪気があって言っているというわけではなく、むしろ全く悪意がない状態でぽろりとこぼしたホンネであるからこそ、子供の記憶に突き刺さっていくのではないでしょうか。
そんな子供の心にぐさりと突き刺さる言葉の一つとして、「他人の子と比べられる」ということがあります。
よくある言葉としては「○○さんはできることなのに、どうしてあなたにはできないの」というものが挙げられます。
この場合の「○○」は、近所の同級生であったり、同じ家庭で生活しているきょうだいであったりします。
特にきょうだいがいる家庭の場合、お互いに競わせることでしつけをしていくという方法はよく使用されますが、それが過度な比較や競争意識を煽るようになってしまっては元も子もありません。
こうした他の子供と比較をする否定的な言動というのは、子供の心に強烈な劣等感を植え付けてしまうことになります。
ですので子供の時期に頻繁に比較されるようなことを言われてきた場合、のちに大人になってからも常に他人の目を気にするようになってしまったり、「自分はダメな人間なんだ」という強い思い込みを持つようになってしまったりします。
劣等感を煽るのではなく自己肯定感を育てる
大人になっても自分の気持ちを上手く開放することができないという悩みを持つ人が多くなっています。
そうした人が共通して持っているのがこの「劣等感」で、あまりにもその束縛が強すぎると仮に良い成績を取っても自分を肯定することができずに常に劣等感に負われ続けるということもよくあります。
本来であればしつけをする時に大切になるのはその子供に「自己肯定感」を与えることです。
すなわち、自分は自分であって他の人にはないようなよいところがあるということを、子供の時にしっかり心理的に植え付けることが将来的にストレスに強い子供を育てることになります。
つまり子供の頃に常に他人と比較をされ続けると、大人になっても自分の存在を確認するのは常に他人と比べてどうであるかということにとらわれるようになるということです。
こうしたものの考え方は大人になってから急に改めるというのは難しく、自分自身への自信のなさがまた次の負の連鎖を生むことにもなってしまいます。
自分が嬉しいか、悲しいかということよりも、他人の目から見て嬉しそうか、悲しそうかということにとらわれる人生は悲しいものです。