「個食」によって表れる心理的悪影響について
「食育」という言葉が一般的になっている現代ですが、食事の内容については詳しい情報が出回っている一方で食事をするときの雰囲気についてはあまり考慮されていないことの方が多いようです。
「食育」は学校教育や地域自治体が主導して行っていることも多いですが、最終的に最も重要になるのはそれぞれの家庭です。
家庭の食事では、食事の内容もそうですが一緒に生活をしている家族が顔を合わせて同じ食卓を囲むという場面が出てきます。
実はこの同じ食卓を囲むということが非常に重要で、周囲に誰もいない状態で一人もくもくと食べる「個食」は子供の精神面に非常によくない影響を与えることになってしまいます。
この「個食」という言葉は他の漢字が当てはめられることもあり「孤食」や「固食」といったようにも表現をされ、いずれにしても温かみのない単なる食物の接種というだけの食事内容のことを示します。
大人になって一人暮らしをしているときの「個食」と、子供の時にひとりぼっちでものを食べることになる「個食」とでは全く意味が異なってきます。
というのも子供の時期は成長のスピードが早く感受性に影響を受けやすいということと、基本的なマナーを学ぶ場所であるからです。
たまに大人になっても箸やナイフ・フォークをきちんと使うことができなかったり、クチャクチャ噛む時に音を立てるようなマナーのない食事をしている人がいますが、そうした人の多くが子供の時に「個食」状態にあったのではないかと予想されます。
誰かと一緒に食事をするということは相手に対して不快感を与えないようにという気遣いを学ぶ場所なので、大人になってそうしたことができていない人は「子供の時にかまってくれない親に育てられたんだな」と思われても仕方がありません。
ビジネスやデートに食事が使用される理由
もう一つ家族で一緒に食卓を囲むことの重要性として見逃せないのが、食事をする時には人間の脳内からドーパミンという幸福感につながるホルモンが分泌されるということです。
大切な取引先との打ち合わせや初めてのデートといった場面では食事を一緒にするということがよく行われていますが、それも食事を通して脳内から発せられるドーパミンの仕組みをうまく利用したものです。
もともとこのドーパミンは恋愛感情に深いかかわりを持っており、これが多く流れている時に気になる相手と一緒にいると自然に相手に心をゆるしやすくなります。
子供とともに食卓を囲むということは子供が何を考えているかを知るチャンスなので、できるかぎり子供の精神面を育ててあげるという意味でも、家族で一緒に食事をする時間帯は大切にしていきたいところですね。
食事の準備も時々楽をしてみる
共働き夫婦が増えている中で、どちらかが食事の準備をするというのが当たり前ですが、仕事で遅くなってしまったり、準備の時間があまり取れなかったりする場合もあるでしょう。
そんなときは、ネット通販などにあるミールキットを使うといいですよ。
野菜などもこだわりを持って栽培されているものもあるので、スーパーで買う野菜とはまた違った味を楽しむことができます。
あらかじめ野菜などはカットされていますので、準備にも時間がかかりませんし、その分子供との食事の時間も増やすことができます。
できるだけご飯はつくってあげたいものですが、たまにはこういったサービスを利用すればマンネリも防げますので、忙しい人こそ使うべきサービスです。