悪い子は鬼が連れて行ってしまうよと言われた子供は?
「なまはげ」という妖怪がいますが、これは夜中まで起きている子供に罰を与える存在として広く知られています。
節分行事の時にはお寺や地域の集会所で鬼の格好をした人が登場してそれをみんなでやっつけるという遊びをしますが、この時にも「悪いことをしてきた子供が狙われる」といった言い方をすることはよくあります。
幼い子供へのしつけをする場面においては「鬼が来る」といった怖いものを引き合いに出して悪いことをする子供を諌めるという方法がよく使われ、それはかなり効果があります。
普段はやんちゃでわがままだった子供が、節などで鬼がくる行事に参加をしたらあっという間に言うことをきくようになったというような話も比較的よくあります。
ですがこうした何か恐ろしいものを引き合いにするような躾の方法は、短期的には効果が高いものの、長期的にはそれほど高い効果があるわけではありません。
というのも何かをしないと怖いものが来るという脅し方は、その「何か」を子供が怖がってくれている間は有効ですが、その正体を理解出来る年齢になってくると全く効き目がなくなってしまうからです。
ちょっと利口な子なら「本当は鬼なんていないんじゃないか?」ということにすぐ気づくので、そこから以前以上に言うことをきかなくなるということもあります。
ですので小さな子供の時にちょっとした遊びとして「鬼が来る」という言い方はしてもよいですが、いつまでもそれだけでしつけをしていこうというのはやめておいた方がよいでしょう。
脅しではなくおだて方向に持っていく
「鬼が来る」という言い方よりも子育て的によりよいのは、子供をおだてることによるモチベーションの引き出し方です。
ちょっと深い話になりますが、「鬼が来る」というのは何か逆らい難い強い存在があってそれに怒られるのが嫌なら行動をしろという考えによるものです。
ですのでこの考えのまま成長をするということは自分でものを考えて自分で行動をしていくというのではなく、逆らってはいけないものに叱られないために行動を決めていくということになってしまいます。
理想的な子育てということで考えれば、上から罰則にもとづいて行動を強制するのではなく、それをすることによるメリットを強調できるような教育方法をとっていってもらいたいです。
具体的には何かをさせるにしても「○○をしたらご褒美をあげるね」「○○できるなんですごいね」といった自分で考えた行動によって得をすることがあるというような方向でものを考えられるようにした方がよいということです。
それをしないとどうなるか、ということを伝える時にはデメリットではなくメリットを優先してあげてください。